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波の上のキネマ

波の上のキネマ

波の上のキネマ

増山実 著
2018年8月24日発売
ISBN:978-4-08-775443-8
定価:本体1850円+税

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父から小さな映画館を継いだ俊介は、創業者の祖父の前半生を調べ始める。祖父は若い頃、脱出不可能と言われた場所で働き、その密林の中には映画館が…。驚きと感動の長編小説。

編集者のテマエミソ新刊案内

絶望を照らす、ひとすじの光──。小さな映画館を創業した祖父の驚きの人生を描く、感動と興奮の長編小説。増山実『波の上のキネマ』。

 

尼崎の小さな映画館を父から引き継いだ安室俊介は、不動産業者から、閉館と買収の話をたびたび持ちかけられていた。座席数100余りの小さな映画館は、戦後間もない時期に祖父が始めたが、収益を上げることは年々難しくなっている。新聞記者からの取材に、まだ正式には何も決めていないと俊介は話したが、新聞には「年内に閉館する見通し」との記事が出てしまう。記事の反響は大きく、マスコミからの取材が殺到した。
そんなある日、創業者である祖父の名前を出した問い合わせが入る。電話の主は台湾に住む男で、彼の祖父が俊介の祖父と知り合いだったという。映画館の歴史を調べようとしていた俊介は、男から驚くべき事実を告げられる。尼崎に生まれた祖父は若い頃、ある場所で強制的に働かされていた。祖父たちがいた場所は、当時、脱出不可能と言われ、その密林の中には映画館があったというのだ。祖父の前半生を何も知らなかった俊介は、その話に驚いた。
なぜ祖父はその場所に行ったのか。どのようにそこから脱出し、なぜ映画館を始めたのか。
創業者である祖父の若かりし日々を追って、俊介はその場所に向かう。
歴史のうねりと個人の生が紡ぎだす、感動と興奮の長編小説。

(担当 H. K.)

著者プロフィール

増山実ますやま・みのる
1958年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒業。2012年に「いつの日か来た道」で第19回松本清張賞最終候補となり、それを改題した『勇者たちへの伝言』で2013年にデビュー。同作は2016年に「第4回大阪ほんま本大賞」を受賞した。他の著書に『空の走者たち』(2014年)、『風よ僕らに海の歌を』(2017年)がある。

波の上のキネマ

波の上のキネマ
増山実 著
2018年8月24日発売
ISBN:978-4-08-775443-8
定価:本体1850円+税

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