内容紹介
新宿区の大久保一帯は江戸時代、つつじ畑が広がり、春になると美しい花々を目当てに多くの人が集まる景勝地でした。
そのつつじを育てていたのは植木職人ではなく、江戸城を守る御役目を担う鉄砲同心たち。
長く泰平の世が続いたために武功を認められる機会がなかった彼らは、つましい暮らしを乗り切るため、火薬の原料を肥料に転用したつつじ栽培の内職に励んでいたのです。
人を殺める鉄砲の弾薬。その原料が、人を喜ばせるつつじの花を咲かせる肥料にもなっていた――。
その史実をもとに、デビュー以来、草花をモチーフにした時代小説を多く送り出してきた梶さんが、鉄砲同心・礫家の春夏秋冬を温かく描き出しました。
礫(つぶて)家はつつじ作りに類まれな才を発揮する丈一郎、頑固者の父・徳右衛門、物忘れが多くなってきた祖母・登代乃、温和な母・広江、勝気な嫁・みどり、生真面目な息子・市松の六人暮らし。
いつも賑やかな一家が大小様々な事件に巻き込まれて――。
笑いあり、涙ありの〈お江戸家族小説〉です。
ぜひお楽しみください。
プロフィール
-
梶 よう子 (かじ・ようこ)
作家。東京都生まれ。2005年「い草の花」で九州さが大衆文学賞大賞受賞。2008年「一朝の夢」で松本清張賞を受賞しデビュー。2016年『ヨイ豊』で歴史時代作家クラブ賞作品賞受賞。著書に「御薬園同心水上草介」シリーズ、『本日も晴天なり 鉄砲同心つつじ暦』『噂を売る男 藤岡屋由蔵』『吾妻おもかげ』『広重ぶるう』などがある。
新着コンテンツ
-
インタビュー・対談2026年05月20日
インタビュー・対談2026年05月20日石田夏穂「人間のいいところよりも悪いところを書きたい」
現代における見ることと見られることの矛盾や暴力性を、ユーモアにくるみながらも鋭く突く三作品について、石田さんに伺いました。
-
お知らせ2026年05月16日
お知らせ2026年05月16日小説すばる6月号、好評発売中です!
-
新刊案内2026年05月11日
新刊案内2026年05月11日雪の如く山の如く
張天翼 訳/濱田麻矢
中国最大の読書サイト「豆瓣」で2022年国内フィクション部門第1位!現代中国の新鋭作家による話題の短編集。
-
お知らせ2026年05月07日
お知らせ2026年05月07日すばる6月号、好評発売中です!
新作小説は井上荒野さんとピンク地底人3号さんの2本立て。対談は作家・歌人・戯作者など多彩な組み合わせ!
-
インタビュー・対談2026年05月07日
インタビュー・対談2026年05月07日小川洋子×河合祥一郎「死者に出会える場所で」
小川さんと河合さん、ともに舞台芸術に魅了され、言葉の世界を探求されているお二人の話は尽きることがありません。
-
インタビュー・対談2026年05月07日
インタビュー・対談2026年05月07日岡野大嗣×津村記久子「人生の「しょうもない」ことを光らせてもいい」
ともに大阪出身で音楽愛好家と共通点の多いお二人に、作中に覗く街並みや思い出についてたっぷり語っていただきました。