内容紹介
【第34回柴田錬三郎賞&第71回芸術選奨文部科学大臣賞受賞!!】
『舞姫』『山椒大夫』『阿部一族』……今なお読み継がれる名作の数々を生み出した明治の文豪・森鷗外。その末子として明治44年に誕生した類(るい)が今作の主人公です。
少年時代は、優しい父と美しい母志げ、姉の茉莉、杏奴とともに千駄木の大きな屋敷で何不自由なく暮らしていましたが、大正11年に父が亡くなり、生活は一変。
大きな喪失を抱えながら、自らの道を模索する類は、姉の杏奴とともに画業を志しパリへ遊学します。帰国後に母を看取り、やがて、画家・安宅安五郎の娘と結婚。明るい未来が開けるはずが、戦争によって財産が失われ困窮していくことに――。
昭和26年、心機一転を図り東京・千駄木で書店を開業した類は、多忙な日々のなか、身を削り挑んだ文筆の道で才能を認められていきますが……。
明治、大正、昭和、平成。時代の荒波に大きく揺さぶられながら、自らの生と格闘し続けた生涯が鮮やかによみがえる圧巻の長編小説です。
プロフィール
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朝井 まかて (あさい・まかて)
1959年大阪府生まれ。2008年小説現代長編新人賞奨励賞を受賞して作家デビュー。2013年に発表した『恋歌』で本屋が選ぶ時代小説大賞を、2014年に直木賞を受賞。ほか、同年『阿蘭陀西鶴』で織田作之助賞、2015年『すかたん』で大阪ほんま本大賞、2016年『眩』で中山義秀文学賞、2017年『福袋』で舟橋聖一文学賞、2018年『雲上雲下』で中央公論文芸賞、『悪玉伝』で司馬遼太郎賞、2019年に大阪文化賞、2021年『類』で芸術選奨文部科学大臣賞、柴田錬三郎賞を受賞。近著に『落花狼藉』『グッドバイ』『輪舞曲』などがある。
「苦闘の人生を生き尽くした類さん。この人を書きたい!と猛烈に思ったんです」と今作の創作背景を語るロングインタビューが「青春と読書」公式サイトにて公開中です。
ぜひお読みください。
第34回柴田錬三郎賞受賞後、週プレNEWSでもインタビューが掲載されました!
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