内容紹介
トラウマを抱え言葉をうまく発することができない青年・悠平が、急きょ舞台で詩を披露することになり……。(「テレパスくそくらえ」)。
最愛の妻を亡くした元気象庁技官・公伸は、喪失の日々のなかで一編の詩に出会う。(「幻の月」)。
学習支援教室の指導員・聡美と、ブラジル出身の少女・ジュリアの心を繋いだのは、初めて日本語で挑戦した詩だった。(「あしたになったら」)
……ほか、“詩”が人を繋ぐ、生きる希望が満ちてくる全6編。
プロフィール
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岩井 圭也 (いわい・けいや)
1987年、大阪府出身。北海道大学大学院農学院修了。2018年「永遠についての証明」で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞し、デビュー。著書に『夏の陰』『文身』『プリズン・ドクター』『水よ踊れ』『この夜が明ければ』『竜血の山』などがある。
推薦のことば
人は言葉をたべて 涙をのんで 生きているんだ。
――桜木紫乃氏(作家) 感涙!
日本のケンドリック・ラマ―がここに! 見たことのない風景があり、共感がある。鬱屈を抱えた登場人物たちの詩が、言葉が、羽ばたいていくーー著者の才能には嫉妬しかない。
――ドリアン助川氏(作家・詩人・歌手) 絶賛!!
悲しみを、切なさを、怒りを、希望を言葉にすることで人生をリスタートさせた彼らの姿に胸が熱くなった。
詩集を何度も読み返して味わうように、この本も何度も味わいたい。
――猪股宏美氏(東京旭屋書店新越谷店 書店員)
詩が文学の世界から身近な存在に感じられるようになりました。
厳しい情況にある今、声を出して詩という心の声を吐露することが人を救い明日への希望になることと信じられる作品です。
――和田章子氏(水嶋書房くずはモール店 書店員)
ひとりひとりの人生に詩がある。詩が世界を広げる。そう、言葉で世界は繋がる。
この世界は詩にあふれていると気づかせてくれた小説だ!
私も心に流れる詩を書いてみたい。
――山田恵理子氏(うさぎや矢板店 書店員)
刊行記念インタビュー
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ノーベル賞作家でありラテンアメリカ文学を牽引した巨匠による、喜劇と悲劇、そして音楽と本と祖国への愛に満ちた人間賛歌。