
プロフィール
-
河﨑 秋子 (かわさき・あきこ)
1979年北海道別海町生まれ。2012年「東陬遺事」で北海道新聞文学賞を受賞。『颶風の王』で2014年に三浦綾子文学賞、2016年にJRA賞馬事文化賞を受賞。2019年『肉弾』で大藪春彦賞を受賞。
担当編集より
すべての書き手を、戦々恐々とさせる。
本物の小説家が、あなたの目の前にいる。
——真藤順丈氏(小説家)
人間はいつまでも夢を見続ける愚か者だと思います。
たとえば圧倒的に厳しい自然を切り開くような。
そんな荒唐無稽な賭けに身を任せてしまう——。
原動力は、功名心なのか、好奇心なのか、もしくは思考停止なのか。
たとえ思考停止だとしても、いくばくかの夢を見続けます。
いつかどこかに。どこか心地よいところに行けるように。
自分の力が形となり、亡き後も何か残してくれるように。
『土を贖う』は、様々な時代の北海道で夢を見た人間たちの物語です。
彼らをあざけるのでなく、憐れむでもなく、ただそのままに描かれています。
その切実さが身に迫り、私もまた愚かな夢の中にいる人間だと実感させられました。
河﨑秋子さんは、「本当のこと」が自然と見えてしまう作家なのでしょうか。
作品を読んでいても、お話をしていても、いつもそんなことを感じます。
生きていること、死んでいくこと、あがくこと、怒り、願い……。
言葉の本当の意味を、物語を通じて胸の深いところに放り込んできてくださる希有な方です。
ぜひ、この短編集を読んで下さい。
担当編集/S
新着コンテンツ
-
お知らせ2025年04月28日お知らせ2025年04月28日
集英社文芸作品のオーディオブックが好評配信中です
集英社では「KOTOBA(言葉)を紡いでOTO(音)と届ける」というコンセプトのもと、“オーディオブック”にも力を入れています!
-
インタビュー・対談2025年04月28日インタビュー・対談2025年04月28日
井上芳雄(俳優)×加藤和樹(俳優)「「男二人」が物語を熱くする」
今最も輝くミュージカル俳優のお二人が、作品を通して人にそして己に向き合い語る、ライバル論、友情論とは。
-
インタビュー・対談2025年04月25日インタビュー・対談2025年04月25日
宇田川拓也×狩野大樹×渡邉森夫「書店員が語る〈東京バンドワゴン〉の魅力」
各文庫の「解説」を執筆し、作中に同名の人物が登場するというこのシリーズ恒例の企画にご協力いただいた書店員のお三方による特別鼎談!
-
新刊案内2025年04月25日新刊案内2025年04月25日
風読みの彼女
宇山佳佑
『桜のような僕の恋人』の書き手による圧倒的新境地。爽やかな風が織りなすファンタジック・ストーリー!
-
新刊案内2025年04月25日新刊案内2025年04月25日
ザ・ネバーエンディング・ストーリー 東京バンドワゴン
小路幸也
人気シリーズ、ついに辿り着いた第20弾!
-
連載2025年04月25日連載2025年04月25日
ナモナキ生活はつづく
第20回:故郷
誰かに傷つけられたり、誰かを傷つけたり……故郷にまつわる複雑な思いについて。