内容紹介
山内マリコ氏推薦!
「差別語に堕ちた私たちの呼び名を救済する、圧巻の文化考察!」
『更級日記』から『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、『82年生まれ、キム・ジヨン』にいたるまで、文学・マンガ・映画など古今東西の名作をひもとき、現代の「おばさん」像を再定義するカルチャーエッセイ。
本来、中年女性のニュートラルな呼称であるはずの「おばさん」という言葉が、あたかも蔑称のように使われているのはなぜ?
すべての女性が謙遜も自虐もせず、自由に生きていくための指針となる一冊。
「おばさんとは、女として女のまま、みずからの加齢を引き受けた者。
護られる側から護る側へ、与えられる側から与える側へと、一歩階段を上がった者。
世代を超えて縦方向へ脈々と受け継がれるシスターフッド(女性同士の連帯)の中間地点に位置して、悪しき過去を断ち切り、次世代へ未来を紡ぐ力を授ける者である」(本文より)
プロフィール
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岡田 育 (おかだ・いく)
1980年東京都生まれ。編集者を経て、2012年より本格的にエッセイ・コラムの執筆を始める。テレビやラジオのコメンテーターとしても活躍。著書に『ハジの多い人生』(文春文庫)、『40歳までにコレをやめる』(サンマーク出版)、『女の節目は両A面』(TAC出版)、二村ヒトシ・金田淳子との共著『オトコのカラダはキモチいい』(角川文庫)など。2015年よりニューヨーク在住。
目 次
はじめに
第一部 未来を向いて生きる中年
・おばさんは、どこへ消えた?
『ぼくの伯父さん』に憧れて ❖ 奪われた呼称 ❖ 見えず、そして愛でられず ❖ 街角のフェアリーゴッドマザー ❖ 『82年生まれ、キム・ジヨン』と大姨妈 ❖ 「物言う女」の自己肯定
・贈り物が結ぶ斜めの関係
ユーミンとチンプイのシンデレラ ❖ シスターフッドが世界を塗り替える ❖ 『マレフィセント』は一日にして成らず ❖ 『更級日記』のゆかし ❖ 后の位とオルタナティブ ❖ 与えられたゴールを越えて
第二部 母とは異なる価値観の提示
・自由を生きる非・おかあさん
産む人生、産まない人生 ❖ 母ならざる者を持て余す社会 ❖ 『ヌマ叔母さん』の真珠と空気と万年筆 ❖ お母さん、大嫌い! ❖ お金と、自分ひとりの部屋と ❖ 女の敵は女なのか? ❖ 「家」の外へ漕ぎ出す
・遠くから届く身勝手な愛
薔薇と手袋、『五線譜のラブレター』 ❖ 有難いのか、ウザいのか? ❖ おばさんたちの『若草物語』 ❖ 『哀しい予感』、だらしない暮らし ❖ 「メッセージ・ソング」とその執着
・よその子と川の字に横たわる
近くて遠い距離と関係 ❖ 同居するおばさんたち ❖ 叔母が子を産む『夏物語』 ❖ 遍在する姪ッ子たち ❖ 『違国日記』と母のいない家 ❖ 「おばさんとなる」瞬間
第三部 少女でもなく、老婆でもなく
・世界の窓はテレビの中に
樹木希林、市原悦子と、恩田三姉妹 ❖ 兼高かおるおじさんと美川憲一おばさん ❖ 嫁けないギャルと『負け犬の遠吠え』 ❖ 黒柳徹子と楠田枝里子の部屋 ❖ お気のすむまで笑うがいいわ ❖ 『ファン・ホーム』と心の中のループ再生
・かわいいおばあちゃんになりたい?
悲しむのはいや、憎むのも ❖ 『ポーの一族』と人間の女の子たち ❖ ガールとグランマの森を抜けて ❖ 『たんぽぽのお酒』、一億兆年に一度の噓 ❖ 森高千里と後藤久美子と美少女の国 ❖ オバさんになることは悲劇じゃない
・男と女と男おばさん
池田さんの性別、小春おばさんの年齢 ❖ 年頃男子と美熟女と ❖ 甥を閉じこめる「恋の棺」 ❖ 男と女で見えてる「もののけ」が違う ❖ テリー・ジョーンズと『トッツィー』 ❖ もう少しだけ、いい奴に
第四部 社会の中に居場所を作る
・新しい共同体は姨捨山の向こうに
役に立たないババアども ❖ 捨てられた『ふたりの老女』 ❖ 死を拒むことが生きること ❖ 『マッドマックス』の鉄馬の女たち ❖ 還暦からの『ルームメイツ』 ❖ おばさんが、捨てる
・働くこと、教えること、自由になること
『口笛の上手な白雪姫』の定位置 ❖ ヤクルト、学研、おばさんという生業 ❖ ガヴァネス、夫のいない女たち ❖ 『マチルダ』と女教師の幸せ ❖ 少女の頃を忘れない ❖ 「その他の人」も社会を回す
第五部 おばさんになる方法
・誰がおばさんを作るのか?
なりたくなかった? フェミニスト ❖ お互いに目を配り合う ❖ 実在と非実在のオリガ・モリソヴナ ❖ 読まれる女、書かれる女 ❖ 名も無き女の再発見
・世界の片隅でアメちゃんを配る
マダムに代わって ❖ おばさんの条件 ❖ ギブ&テイク&下心 ❖ 駄菓子が繕う世界の綻び ❖ 誰かの何かになる方法
ジェーン・スー×岡田育 巻末特別対談
おわりに
引用資料
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