〈おいしい秋〉対談 千早 茜×田辺智加(ぼる塾)「語らいましょう 夢の「お茶部屋」」
お茶やお菓子など、食の好みが一致しているという千早茜さんとぼる塾の田辺智加さん。
田辺さんが、お茶好きが高じて作った「お茶部屋」に、今回、千早さんが訪問しました。
人をお茶でもてなす際の秘訣やお茶時間の効能について、紅茶とお菓子を味わいながらお話ししていただきました。
撮影/露木聡子 構成/綿貫あかね
ヘアメイク/金岡沙梨奈(千早担当) 髙丸瑞加(Ari·gate/田辺担当)
スタイリスト/佐々木美香(田辺担当)
田辺:ワンピース KILKI
お茶やお菓子の好みが驚異的な度合いでマッチ
――お二人が出会ったきっかけはどのようなものだったのでしょうか。
千早 最初はラジオですよね。
田辺 NHKラジオの番組『ぼる塾のハラペコ食堂』でした。
千早 私が『わるい食べもの』という食エッセイのシリーズを書いていることもあって、出演させていただきました。その際、NHKだから商品名が言えなくて、「あの黒いパッケージのフランスの紅茶……」とかぼかして話をしていたのですが、田辺さんは「わかる!」と、すべて承知したうえで喜んでくださって。収録の後、LINEを交換したんです。
田辺 お会いする前に『わるい食べもの』を読んでいて、自分にそんな文章力があるはずもないのに「私が書いているんじゃないか?」と勝手に思ったくらい好みがあっていたんです。すぐに仲良くなりました。
千早 食の趣味が信じられないくらい似ているんです。紅茶をはじめ、香りがゆたかなものにお互い反応しています。さきほども私が持ってきたサンザシをお見せしたら、田辺さんもちょうど買ったところだとおっしゃって。
田辺 先週、大量に手に入れたんですよ。あそこのサンザシ、すばらしいですよね。
千早 どこの何がおいしいといった情報も被りがちです。中国茶を淹れながらトークするイベントをご一緒したときも、持ち寄ったお菓子が同じ店のもので(笑)。
田辺 あれは怖かったですね(笑)。
千早 石川県の甘納豆だったんですが、東京のものでもないのになぜ、となりました。
田辺 でも千早さんは私の知らないおいしいものをたくさんご存じで、教えていただいて世界が広がりました。富山のパティスリーのチョコレートは、たぶん自分史上最もおいしいチョコレートです。
千早 「パティスリージラフ」に行かれたんですよね。何かで見て、「ついに行かれている!」と思いました。
田辺 ついに!
千早 日本のショコラティエでいちばん好きなお店です。今までは私が行っては購入し、差し上げていたんです。
田辺 今まで数々のチョコレートを食べてきたんですが、あのお店は……。
千早 チョコレートへの愛が尋常ではないです(笑)。店主が自分でカカオ酵母まで育てて、パンを焼くんですよ。カカオアイスミルクティも格別です。飲まれました?
田辺 未体験です。残念!
千早 こんどぜひ飲んでください。しかも私、弟子追いするタイプで、そのお店で修業していた人を追いかけて、石川県の「カナザワ サイ」に行ってきたんですが、そちらもとてもおいしかったです。
田辺 わー、行ってみたいです。いつもおいしいお店を教えてくださってありがたいです。きょうもたくさんおいしそうなお菓子を持ってきてくださって。
千早 お祝いなので盛大に。これを田辺さんに食べていただきたくて。切り分けますね。
田辺 (ひと口食べて)ザクザクした食感。初めて食べました。
千早 フランスの伝統的なスポンジケーキなんですが、ビスキュイ ド サヴォワといいます。諸説あるんですが、サヴォワ地方にあった城をイメージして作られたと言われているものです。お茶部屋という城を持った田辺さんのお祝いにちょうどいいと思って。
田辺 素敵。香りもよくて最高です。このザクザクした食感は、お砂糖なんですね。クグロフっぽい。でも中はふわふわ。おいしい!
千早 田辺さんの好きなものに似ていますよね。シフォンケーキ……。
田辺 確かに! 嬉しいです。どこで手に入るんですか?
千早 最近私が気に入っている、中目黒の「ボンヌカリテ」というお店の「ビスキュイ サヴォワ」です。ここは表面にカソナードという砂糖をかけて、ザクザクした食感を出しているようです。私の好きな「オーボンヴュータン」も伝統菓子を作っていて、こちらの「ビスキュイ・ド・サヴォワ」はすごくふわふわなんです。それもいつか食べてほしいです。
田辺 見た目と食べた感じが全然違いました。
千早 伝統菓子というと、ファーブルトンを田辺さんの力で流行らせてほしいってずっと言っていたんです。二人とも大好きで、おいしいけどやや地味かもねと話していたんですが、最近流行り始めてきて……。
田辺 急に来ましたね。時代を先取りしたのかも。催事のフランス展に行くと、ファーブルトンだけ品切れなんですよ。これは間違いなく私たちが流行らせたと言えます(笑)。




Xの素敵な写真に感化され、とうとうお茶部屋を作る
――今回お茶部屋を作られるにあたって、どんな経緯があったのでしょうか。
田辺 千早さんのXを拝見するといつも素敵で、こんな生活があるんだと思っていました。千早さんにお家に招待していただくと、おもてなしがまた素晴らしいんです。お茶やお菓子がおいしいのはもちろんのこと、洗練された茶器や食器でふるまってくださって。私はお茶が好きだけど、こんなふうに人をもてなしたことがないと気づきました。その憧れから、まず中国茶の茶器を揃えるところから始めたんです。茶盤とか茶壺、それから茶杯も買って。あとお盆も真似して手に入れました。
千早 私はお盆の上に好きなものを置いているだけですよ。
田辺 それが本当に良いんです! とはいえ、自分の部屋にはそんなセッティングができる余白もないので、それなら別の場所にお茶部屋を作ってしまおうと。でもセンスも知識もなくて、インテリアはどんな感じがいいか、全然思い浮かびませんでした。それで千早さんに相談したんです。ロココ調、北欧風など、いろいろ教えてもらいました。
千早 一緒にアンティークショップも何軒か見に行きましたが、田辺さんがこのイギリスのテーブルに一目惚れして。
田辺 これ、ブレックファーストテーブルといって、縦にできるんですよ。
千早 朝食のときに使って、あとは縦に畳んで端に寄せておける。
田辺 いろいろ見てもピンと来ないものは来ないんですが、これは本当に運命的でした。自分だけではたどり着けなかったと思います。相談に乗ってもらって本当にありがたいです。
千早 私も楽しくなってきて、いろいろなアンティークの勉強をしました。お菓子の勉強は常にしているので、家に本がたくさんありますが、アンティークは本を読むだけでは足りなくて。セミナーにも足を運んで、買付けの過程や、お手入れの方法も学びました。
田辺 そこまでしていただいて、すみません。
千早 楽しくて。たまに田辺さんの家具にワックスをかけにきたいです(笑)。
田辺 それはもう、いつでも。これから棚も作りたいし。どんなイメージにするか悩みます。フランスにもイギリスにも憧れがあるから、どちらかに統一しないと。
千早 田辺さんは華やか主義なんですよね。
田辺 本当はシンプルにしたいんですけど、目に入るのは柄物ばかりで。なんとか統一感が出せるよう千早さんを頼りにしたいと勝手に思っています。
千早 頑張ります。ここに棚をつけてポットを並べるとかわいいはず。
田辺 お任せします。
千早 お茶部屋は、いわば茶室ですから一国一城の主。もう夢です。それを作ってしまうのは思い切りがすごい。いつか私も作りたいです。



授業をサボって制服姿のまま喫茶店へお茶を飲みに行く
――そもそもお茶に目覚めたのはいつ頃、どんなきっかけだったのでしょうか。
田辺 私が自覚したのは八歳のときですね。友達やそのお母さんたちが家に来たときに、他の子はみんな外で遊んでいるのに、私はお母さんたちが紅茶を淹れて楽しんでいるところに混ざっていました。
千早 素敵なお母さん。
田辺 高校生のときも、授業をサボってお茶を飲みに行っていました。
千早 喫茶店に? ひとりで?
田辺 そうなんです。新宿の喫茶店で、ちゃんとポットで紅茶を淹れるところでした。今考えたら、制服だったのによく補導されなかったなと。サボるのはよくないことですが、大切な時間でした。千早さんは?
千早 私は成功体験からですね。小さいときに親戚の集まりで私がお茶を淹れると、「茜の淹れたお茶はおいしい」とみんなにとても褒められたんです。子どもだから嬉しくなりますよね。それからお茶を淹れるときは必ず私の出番でした。当時、緑茶はそんなに好きではなかったのですが、高校生くらいになって紅茶をおいしいと思うようになりました。
田辺 最初は緑茶だったんですか?
千早 そうです。祖母にどんなに貧乏しても茶葉は高ければ高いほどおいしいから、茶葉のお金は出し惜しみするなと言われていました。だから今も茶葉にはお金をかけていて、我ながら毎月ひぇ〜っとなっています(笑)。
田辺 やはり味と値段は比例するんですね。
千早 しますね。あと、紅茶は等級を見られるようになれば、自分の好みのものにたどり着けます。
田辺 お茶はすごく好きなんですが、詳しいことはさっぱりで。だけど「フォートナム&メイソン」とか「ウェッジウッド」育ちではあるんです。とりあえずそれを飲んでおけばいいだろうという。
千早 自分の好きな茶葉の基本があるのはいいですよね。「フォートナム&メイソン」とか「トワイニング」とか、いったん離れて「マリアージュフレール」とかおしゃれなほうに行っても、結局戻ってくるんですよ。
田辺 ほんとそう。結局緑に戻る。
千早 おいしいですし落ち着く。「トワイニング」の「レディ グレイ」や「フォートナム&メイソン」の「アールグレイクラシック」に戻ってきてしまう。
田辺 わかります。おいしい。
千早 小さい頃に飲んでいたから、安心できる味なんでしょうね。

お茶とお菓子は必ずセットで。単独ではあり得ない
――お茶とお菓子、好きな組み合わせはありますか?
田辺 以前はフルーツ味とかフレーバーティーをよく飲んでいたんですが、最近はあまり飲まなくなりました。
千早 え、ほんと?
田辺 クッキーや焼き菓子を食べるときは、アッサムやニルギリといったお茶のほうがあいます。フレーバーティーは、ちょっと邪魔するということに最近気づきまして。それも千早さんの影響をかなり受けています。
千早 今日もここに並ぶお菓子を見てから、アッサムをさっと選ばれましたね。できる! と思いました。
田辺 フレーバーティーは、お菓子がないときにハチミツを入れて飲むようになりました。たぶんそのくらいがいいんですよね。
千早 田辺さんと私に共通しているのは、お菓子には絶対お茶が必要ということです。二人ともとてもお菓子好きですが、お菓子単独では食べません。
田辺 他の人からは、お菓子をたくさん食べている人と思われていますが、お茶がないと意味がないんです。お茶を飲むためにお菓子を食べていると言いたいです。
千早 わかります。お茶を飲みたいからお菓子を用意すると言っても、あまり理解してもらえないです。お菓子は好きなんですけど、それだけでは。
田辺 仕事中は仕方がないことなんですが、現場にお菓子やお水があっても、お茶がないと、結構つらいです。
千早 それはつらい。私が差し上げるお菓子は、たいていお茶ありきで選んでいるから、単体で食べると甘すぎるんですよね。だから最近はお茶も一緒に差し上げるようにしています。
田辺 確かにそこまでしたほうがいいかもしれないですね。意外と周囲の人々にお茶を飲む習慣がなくて。
千早 残念ですよね。だからお茶もどうぞと一緒にお渡ししています。

外出先でも飲みたいからトラベルティーセットは必須
――お茶を飲む習慣がないのはもったいないですよね。お茶やお茶の時間にはいろいろな効能がありそうなのに。
千早 私は基本ずっと家にいる仕事なので、好きなときにお茶を淹れられますが、田辺さんはとても忙しいから、お茶時間を取るタイミングが難しそう。いつもどうされていますか?
田辺 朝は絶対お茶を飲みます。外出時はタンブラーに入れて持ち歩きますが、本当は淹れたてのフレッシュな状態で飲みたい。だから仕事で劇場に入るときはトラベルティーセットを持っていきます。
千早 それ、いいですね。
田辺 買ったんですよ、トラベルティーセット。楽屋でお茶を淹れます。
千早 優雅! そんな人、他にいますか(笑)?
田辺 いないです(笑)。でもフレッシュなお茶を飲むか飲まないかで、とても気分が変わるんです。いらいらしているときは、お茶を飲んでいないからだ、と思いますし。
千早 お菓子も持っていくんですか?
田辺 もちろん。でもお茶はそのときの気分で飲みたいものが違いますよね?
千早 違いますね。
田辺 茶葉はいくらあっても足りないですよね?
千早 足りないです。家にある大量のお茶を見られると「どれだけ買うのよ」と言われますが、まったく足りてないです。
田辺 気分によって選ぶ茶葉が変わるからですよね。
千早 いつどんな気分になるかわかりませんから。
田辺 そうなんです。外出先に茶葉を持っていっても、「あ、きょうはこれじゃなかった」と感じたら、気分にあったお茶を買いにいくことがあります。
千早 私も取材旅行の際に、現地で見つけたお餅やチョコレートを食べたくなるんですが、どんなお茶があうかもセットで考えます。なので、一泊でも茶葉を五種類くらい持っていくことがあります。
田辺 わかります。自分で淹れる自分の気分にあったお茶が飲みたい。けれど、自分以外の誰かが淹れてくれるお茶もやっぱりおいしいんです。
千早 私は淹れて差し上げたい派なので、友達が来るとテンションが上がって紅茶に中国茶にと何種類も淹れてしまいます。
田辺 千早さんの淹れるミルクティーがとてもおいしいんですよ。ミルクティーは自分で淹れておいしいと思ったことが一度もなくて。
千早 そんなことはないでしょう。
田辺 (ぼる塾の)あんりも、千早さんのミルクティーは格別って言っていました。
千早 田辺さんたちが遊びに来てくださったとき、濃厚でいいミルクがあったからですかね。常温に戻してから淹れました。
田辺 さすがです!
初対面でもお茶を淹れたら招いた人という認識が生まれる
――お茶とお菓子で人をもてなすときに、気を使っていることはありますか?
田辺 せっかく来ていただいたからには、楽しんでいってほしいですね。とはいえ、あまりもてなしたことがないんですが……。
千早 そもそも、お茶部屋まで作ってもてなしたいと思ったのはなぜなんですか?
田辺 やっぱり千早さんを見習いたくて。
千早 ……お恥ずかしい(笑)。
田辺 千早さんのおもてなしが過剰すぎず不足なく……で、心地よいんです。お家に伺うと、常にお茶を淹れてくださるけど、決してせわしなくない。私は一度、部屋にあんりと後輩を呼んだときに、自分がずっとお茶を淹れ続けてしまったことがあって。二人のカップが空くのを待っては、ジャーッと注ぐわんこそば状態です。キッチンとリビングを往復していたら、そのうち「座ってください」とストップがかかりました。お茶でお腹がいっぱいになってしまったとも言われました。
千早 いろんな種類のお茶をたくさん飲んでもらいたくなるんですよね。
田辺 そうなんです。でも千早さんは淹れすぎなくて、ちょうどいい。ちゃんと席に座ってお話しもされる。
千早 気にしていなかったです。
田辺 お茶の淹れ方も真似したい。千早さんは丁寧なんです。私はティーポットから直に注ぐことしか知らなかったのですが、千早さんが注ぐと茶葉がカップに入らないですよね。
千早 あれは茶葉を直接ポットに入れるイギリス式と、フィルターを使うフランス式があるらしいですよ。
田辺 えっ?
千早 イギリス式はポットに茶葉を入れたままにして、濃くなった二杯目にはミルクを入れる。でも私は、濃くなることを気にしながら飲むのが嫌なので、ポットを二つ使います。最初に茶葉をポットに入れて蒸らしたものを、漉しながら二つ目のポットに移します。こちらを卓上に持っていきます。
田辺 なるほど。私も濃くなるのは嫌です。千早さんがポットを二つ使っていることに驚いてましたが、そんな理由からなのですね。
千早 卓上にあるポットは茶葉が入っていないお茶。そこにティーコゼーをかけておけば、ずっとおしゃべりをしていても、温かいまま飲めます。
田辺 私もきょうそれをやりたかったんですが、緊張してできませんでした……。
――千早さんはもてなし上手なんですね。
千早 私はとにかく、おいしく飲んだり食べたりしてもらいたいだけなんです。だから、人をお招きするといきいきします。実は以前、NHKの番組『ネコメンタリー 猫も、杓子も。』の取材が入ったことがありました。打ち合わせをしたところ、自宅での撮影が五日間もあって、その間スタッフが三人張り付くと説明されたんです。どんなに良い方々でもほぼ初対面で長時間同じ空間にいるのは人間にも猫にもストレスです。大丈夫かな、と身構えていたんですが、そうだ、お茶会をすればいいんだとひらめきました。撮影の合間にスタッフのみなさんとお茶をしたんです。午前中の撮影をして、一旦中断し、午後の撮影の前にお茶タイム。すると猫がいつものお客さんだと思って全然警戒しなくなりました。
田辺 面白い!
千早 私自身も、お茶を淹れたらスタッフのみなさんに対して「自分が招いた人」という認識が生まれて、撮影が和やかに進み、五日間の予定が三日で終わりました。三日目の午後には、撮るべきものは撮れたということで、夫が買ってきてくれたケーキをみんなで食べました。お昼ご飯もご一緒して、ワインも開けて、結局夜まで楽しく飲みました。スタッフの方に最後に「今日は何をしにきたのかわかりませんでした」と言われて(笑)。
田辺 スムーズだったんですね。
千早 間にお茶を挟むと、コミュニケーションもとれ、段取りも良くなって、テキパキ進むんです。午前の部終わり、はい、お茶しよう、という感じです。
田辺 お茶で関係性もよくなりますね。
千早 撮る側と撮られる側という、二つの間に探り合いがあるんじゃなくて、ひとつのチームになって「何撮る?」という雰囲気になったのが良かったです。
男の人たちにもお茶の良さを知ってほしい
――お茶を楽しむ場は、関係性も含めた空間を作り上げるのかもしれません。
千早 これまで『透明な夜の香り』『赤い月の香り』と香りの本を書いてきて、最終巻の『燻る骨の香り』がお香の話だったんです。お香はまさに『呪術廻戦』の領域展開のようで、焚くとその場が薫りで支配される。香水やお香は強すぎてつらいときもありますが、お茶の香りはほのかです。一度部屋の外に出て戻ってくるとわかるくらいの淡さです。気づかないうちに香りの一体感を全員が共有できて、老若男女、どんな人でも一緒に和めると思います。
――成人男性は数人集まるとなると、お茶よりお酒という流れが多そうです。
千早 飲みニケーションになりやすい。男性たちに、お茶やコーヒーを飲んでおしゃべりする、という文化はないのですかね。女性たちにとって、「お茶しよう」と言って、お茶とお菓子を楽しみながら会話するのは定番ですが。
田辺 香港に行ったときにいいなと思ったのは、アフタヌーンティーをしているおじさんがいっぱいいることです。ペニンシュラホテルにマネジャーさんと行ったんですが、おじさんが家族とアフタヌーンティーを本当に楽しんでいて、「日本と違う!」と思いました。
千早 日本でアフタヌーンティーを楽しむのは女性ばかりですよね。
田辺 そう。以前、仕事が終わって千鳥の大悟さんとノブコブの吉村(崇)さんと夕食を食べた後に、「田辺ちゃん、甘いものが食べたいでしょう」と言われて、夜中でも開いているお茶のバーを思い出して一緒に行ったんです。そこで彼らとお茶を飲みました。「まさか、夕食終わりにお酒じゃなくてお茶を飲むなんて、みんな変わったね」「田辺ちゃんがいなかったら、お茶とかしなかったよ」と言われ、お茶の良さを広められたようで嬉しかったです。
千早 時代も変わってきましたね。
田辺 先輩の家で手巻き寿司パーティーをしたときに、みんなお酒を飲んでいましたが、私はお茶を持参していたのでふるまったんです。するとおいしいと好評で。プーアル茶でした。
千早 食後にいいお茶ですね。
田辺 「お茶っておいしいね」という感じになりました。今、男性芸人の界隈にお茶の風を吹かせています(笑)。
千早 いいですね! 私は出張お茶淹れがしたいです。食事の終わりそうなタイミングに現れて、「はい、千早が淹れますよ」って(笑)。
真似して、ポットを二つ用意して淹れてみたいです。


田辺さんがウェッジウッドのティーカップを愛用していることを知って、お揃いのクリーマーを。

千早さんも愛用している「Cutipol(クチポール)」のカトラリー。「繊細なケーキが崩れずスッと切れます。軽くて、細い。優雅。ケーキの断面を見たい病の私には必須なので田辺さんにも」とのこと。
プロフィール
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千早 茜 (ちはや・あかね)
1979年北海道生まれ。幼少期をアフリカで過ごす。立命館大学文学部卒業。2008年『魚神』で第21回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。翌年、同作にて第37回泉鏡花文学賞を受賞。13年『あとかた』で第20回島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で第6回渡辺淳一文学賞、23年『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞。『ひきなみ』『赤い月の香り』『マリエ』食エッセイ『わるい食べもの』シリーズなど著書多数。
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田辺 智加 (たなべ・ちか)
1983年千葉県生まれ。お笑いカルテットぼる塾のメンバー。著書に『あんた、食べてみな! ぼる塾田辺のスイーツ天国』『Hanako特別編集 ぼる塾・田辺智加のスイーツに恋して。』。TBSポッドキャスト「ぼる塾あんりと田辺の食べて喋って」配信中。
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