内容紹介
――それは、廃墟に生きる者たちへの贈与であり、祈りであった。
宮﨑駿はいかに世界を描いたか。
『未来少年コナン』から『きみたちはどう生きるか』に至るまで、
地・水・火・風・空の五元素から、その豊かさを読み説く。
『ナウシカ考』著者による集大成的宮﨑駿論。
これほど繊細にして、豊饒に、人間とその生きてあり、生かされている世界について、その森羅万象について、透徹したまなざしをもって描かれたことがあっただろうか。むろん、宮﨑駿とそのアニメーション映画に想いを馳せながら、わたしは書きつけている。それは、あきらかに事件であった。
(中略)わたしはただ、この事件に偶然のように立ち会い、それを目撃した同時代に生きる者の一人にすぎない。だから、そこに提示されている大地や水や火や風、そして天空といった世界を構成する元素が精妙に織りなす舞踏か、祝祭にも似た光景に眼を凝らしてみたい、と願う。そうして山川草木のざわめきのなかで、鳥獣虫魚たちが交わしあう生命の祭りの諸相を、宮﨑アニメというテクストを丁寧に読みほどきながら、掘り起こしてみたい。
――本文より
プロフィール
-
赤坂 憲雄 (あかさか・のりお)
民俗学者。1953年東京都生まれ。東北学を提唱し1999年に雑誌『東北学』を創刊。『岡本太郎の見た日本』で2007年にBunkamuraドゥマゴ文学賞を、2008年に芸術選奨文部科学大臣賞受賞を受賞。『異人論序説』『王と天皇』『境界の発生』『結社と王権』『東西/南北考』『武蔵野をよむ』『遠野/物語考』『震災考』『性食考』『ナウシカ考』『民俗知は可能か』『災間に生かされて』『奴隷と家畜』『怪物たちの食卓』『いくつもの武蔵野へ』など著書多数。
新着コンテンツ
-
新刊案内2026年07月06日
新刊案内2026年07月06日森羅記 三 流星の塵
北方謙三
北条時頼は執権を辞し、最明寺入道と呼ばれる身となった。運命は、海にあり――希望の第三巻!!
-
新刊案内2026年07月06日
新刊案内2026年07月06日おもちゃの指輪が欲しいねん
ピンク地底人3号
失恋をきっかけに保安員、いわゆる万引きGメンとして働き出したアカリの恋。演劇界・文学界ともに注目の新鋭による最新小説!
-
新刊案内2026年07月06日
新刊案内2026年07月06日風車と巨人
岩井圭也
「不老因子」の発見で脚光を浴びるがん研究者・嘉山宗弘だが、その成果の根幹を揺るがす研究不正疑惑が発覚する。
-
新刊案内2026年07月06日
新刊案内2026年07月06日宮崎駿の詩学
赤坂憲雄
『未来少年コナン』から『きみたちはどう生きるか』に至るまで、宮﨑駿はいかに世界を描いたか。『ナウシカ考』著者による集大成的宮﨑駿論。
-
インタビュー・対談2026年07月05日
インタビュー・対談2026年07月05日岩井圭也「なぜ人はうそをつくのかを探りたかった」
多メディアから注目を集める岩井圭也さんの最新作は映像業界、しかもドキュメンタリーの世界が舞台。サスペンスフルな物語の執筆の経緯とは?
-
新刊案内2026年06月26日
新刊案内2026年06月26日メソポタミアのボート三人男
高野秀行
ティグリス=ユーフラテス川をボートで下る辺境作家と探検家。自然と文明、名言とぼやき、危機と笑いが交錯する前代未聞の川旅ノンフィクション!
